『WWW(World Wide Web)/ネットワーク/私』

WWW(World Wide Web)/ネットワーク/私
 初めてWWW(World Wide Web)に対する認識を持ったのは、 藤沢市が企画する2〜3日間の講座に参加したことからです。 市では『行政』『大学』『企業・産業』の連携ということで、 いくつか大学での講座を企画しています。 村井先生の慶応大学でのものもありましたが、 家から1〜2分の近さにある、神奈川工科大学の講座を受講しました。

 最初の年は工学部のある研究室が中心になって、 数人のゼミの学生がサポートしてくれました。マシンもばらばらで、 ゼミ生の個人持のマシンも混じっていました。 大学時代の部室よりは少しましな状況で、雑然としたその部屋に、 これが大学の雰囲気だと納得した私でした。
 最初の日、東京大学のサーバのメンテナンスと重なってしまい、 時間変更がありました。 学内でもアクセスが集中すると速度が極端に遅くなるとのこと。 講座では、二人で1台のマシンを使用。 ブロードウエイから圧縮された動画をダウンロードしたりしました。 解凍ツールはLAN外の別のマシンにあったので、 フロッピーでこちらに持ってきて、インストール。
 家にもどって早速復習。 夜中に1時間近くかけてダウンロードしたのが、 ショーン・コネリーが出演する映画のプロモーション動画でした。 私にも出来た!と、けっこう感激しました。

 次の年はすっかり様子が違っていました。前年に引き続き参加した方、 市の担当者もびっくりしていました。 「去年は隠していたのですか?」「すごいですね!」
 OHPを使った講義、演習時、別の部屋には、百台ではきかないマシンが並んでいました。 もちろん全てネットワークに組まれており、 インターネットに接続できるのはもちろん、講師の側からのデータへも切り替えられます。 それも数年前のことになります。

 オペレータとして、コンピュータにかかわった初めから、幸せなことに、 ネットワークでデータやコンピュータを利用することを教えられました。 オンラインがダウンすることによる、 コンピュータつまり“ただの箱”の無力、そして取り出せないデータ。 様々な経験がありました。 世界中のコンピュータがつながる、WWWの計り知れない可能性は、 ネットワークそのものとしてとらえた私には大きな魅力です。

 身近にとても熱心な勉強家(うちの旦那様)がおります。 SE、プログラマーとして業務に関わってきた彼は、 WWWに関しても多くの資料・文献を知識に取り入れて実際の運用を進めていきました。 我家(自営)でもネットワーク構築、インターネット接続です。 証券会社でオペレータ業務とともに営業にも実際に携わっていた私には、 毎日読む新聞からはもちろん多方面からの“情報の収集に優れた才能”があるようです。 収集した情報から、私が手にすることにしたのは、 石田晴久先生の『インターネット自由自在』です。 新書版で値段も安いところもありがたかったです。
*余談ですが…多摩美で講師をしている友人がいるのですが、 石田先生の本を読んでいることを話すと「今、私の向かいの机だよ」 「わあー!よろしく言って下さい。」なんて、 サインでもお願いしたいのを…とりあえず思いとどまりました。

 この本を読み進めていくことで、 それまでバラバラな知識の切れ端だったのが次々と理解に結びついていきました。
 “双方向の情報” “ネットワーク” “セキュリティ
世間では、営業戦略の流れの一つとして、家電感覚で使用出来るマシンの提供があります。
『あなたもボタン一つでインターネット』
『すぐ使えるように、セットアップサービス付』
『インタ−ネット常時接続マンション』
WWWがネットワーク、しかも世界をつなぐネットワークだと言うことを考えると、おそろしいですね。
仕事でユーザにマシンを導入してセットアップしますが、 最初にする作業は“余計なソフトのアンインストール”“お仕着せの設定の解除”etc.です。 私が繰り返して伝えるのは 「あなた自身が、あなたのマシンのことがわかるように!」と言うことです。 もう一つ私の持論ですが…「コンピュータというのは2〜3歳くらいの子供です。 そう思って向き合ってください。」 これは我ながら気に入っている表現で、ユーザにも理解してもらいやすい表現です。
*ちょうど前日いらした親子は、「うちの○○君みたいなの?そんなの大変だ!」 なんて変な納得の仕方をしていました。

 今回『WWW(World Wide Web)』の講座を受講することで、さらに知識を深めることが出来ました。 結果としてはっきりと見えてきたのは、やはりネットワークでのコンピュータ利用ということです。 私自身、オペレータとしてコンピュータと向き合っているわけですが、 前にあるのは“データ”/素材です。 素材を、どのように加工するか、またどんな可能性、どんな必要があるのか、 その作業の為の直接的・間接的なツールの一つとしてある“ネットワーク” を考える時、“WWW(World Wide Web)” と呼ばれるこの方式が、これまでなしえなかったことをも可能にしたと思うのです。
*これまでに出来たとしても、莫大な費用・時間・労力が必要であったり…

しかも、それまでは専門家の領域であったのが、ある一面、一般の (コンピュータおたくではなく)普通の人達にも扱える領域におりてきたのです。 さらにその可能性は“ネットワーク”“通信”という範囲にとどまらない “表現”“コミュニケーション”“仮想空間”“電子による実体物( 電子出版、電子商取引及び電子マネーetc. )”といった双方向通信の世界だからこそ可能となり発展していきます。

 私はこれから、どのようにとらえ、どう判断し、どう進めていったらよいのか。 判断する材料、考える素材、現す手段、全て目の前の“PC”を通して私の手の中にあります。 満天の星、宇宙空間に投げ出されたような感じです、身震いがします。 あまりにも大きな舞台を前にして足がすくみます。
 その傍らで中学生のむすこは、ネット上でカード交換の取引が成立し、自分のカードを郵送し、 秋田県の見知らぬ人からの郵便物を受け取ります。プロトコルもなにもありません。 世の中そんなものでしょう。『あなたもボタン一つでインターネット』 結構じゃありませんか。
 でも私は、この講座を通して自分自身進んでいく方向に自信が持てた気がしています。 私は専門家ではありません。コンピュータおたくでもありません。普通の人でもありません。 常に自分自身“オペレータ”としての立場をとおしてきました。 たまたま身近にプログラマーがいることもあって、「この手順だと操作しにくい」 「この形式だとミスが起こりやすい」チェックする状況にありました。 初めて社会に出た時に先輩から言われた「オペレータを考えさせてはいけない」 という言葉、最初の仕事がその為の伝票(データ)のチェック、修正でした。
 様々な可能性・機能を持つ“WWW(World Wide Web)” で結ばれるコンピュータとコンピュータの双方向通信、 いえ、その先の人間と人間の双方向コミュニケーションのクモの巣に 引っかかっている『1オペレータの私』。少しは役に立てる自分でいたいなと思います。




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