| TOP | SCHEDULE| NEWS | BIOGRAPHY/ プロフィール | DISCOGRAPHY/ アルバム紹介 | LINKS | JAZZ | PERSONALITY|

戻る finland2007
  [PHOTO_Finland2007]   [Finland2007 1]   [Finland2007 2]   [Finland2007 3]   [Finland2007 4]   [Finland2007 5]   [Finland2007 6]

<2>         [ 二クラス・ウィンター・カルテット・フィンランド・ツアー 2007 ]
2月5日
ウィーン国際空港に着いて3時間半の待ちぼうけ。  サンドイッチふたつ食べたら8ユーロ、1200円だ。  旨い事は旨かったんだが。  コーラひとつが3ユーロ20もする。  日本の3倍だ。  俺は喉が渇くのを我慢した。
そこから2時間ぐらい小さい飛行機に乗って、 ヘルシンキに到着したのが、現地時間で夜11時20分。  空港では二クラス・ウィンター(gt) が出迎えてくれた。  写真で顔は判っていたので、俺が先に見つけた。  いかにも親切なナイスガイの印象。  背がでかい。  ところで外は、さすがに寒い。  昨日買ったばかりという彼のフィアットで、 2時間弱かけて彼のホームタウン、ツルクに着いた。
滞在するのはツルクの大学かなんかの寮。もう夜中なので何も 出来ることがない。俺はとりあえず軽く散策して見ることにし た。
積雪はそれ程でもないが、路面はどこもバリバリに凍結している。  ひとっこひとり歩いていない、ツルクの街をちょっとぶらつくと、 目の前にちょっと窪んだ公園のようなところがあるのを見つけた。  近くに来ると、どうもスケートリンクらしい。  足場が悪いな、と思いながら歩いていくと、ハッとした。  驚いた事に、それは凍った河だった!  街中シーンと静まり返っている中で、 その凍った河は時々かさこそ、みしみしと音を立てる。  俺はかなりビビッてしまった。

2月6日
翌朝、隣の部屋で寝ているはずの島秀行(b) のドアをノックすると、 もう起きていて、何年ぶりかの再会を果たした。  自然でにこやかな再会だった。  奴とは何年か前に大喧嘩して以来 疎遠だったのだが、 今回いろいろあって、俺に電話をくれた。  奴との関係の修復は、実は俺にとって、 このツアーでの大きな目的のひとつだったのである。
二クラスが迎えに来てくれて、 ちょっと街でカフェをしたりする。  当初、朝10時にヘルシンキでリハの予定だったのだが、 それはしなくて良くなったようだ。  リハは夜やるらしい。
実はこの日、この何年かで一番の冷え込みが襲ってきたらしい。  見た目には普通の曇りなのだが、 気温は何とマイナス26℃!!  外に出た瞬間、髭と鼻水が凍りつき、 20分以上歩くと、 外気に触れた顔が 痛くて耐えられなくなってくる。  俺と島は15分歩いては建物に入ってまた出る、 を繰り返した。
それから二クラス家で3人で軽くリハ。  奥さんのロッタは親切で キレイで 感じがいい人。  後日、俺達の洗濯物を洗ってくれた。  7歳の一人娘、ソフィアは彼にくりそつではあるものの、 滅茶苦茶可愛い。
リハにおいては、彼の出す指示が結構勉強になったりもした。  例えば、あるフレーズに関するダイナミクスの指示や、 譜面に書いてあるアクセントの指示など、 なるほど、こうやってやればいいのか〜、 と妙に納得させられるものがあった。
かなり夜もふけてから、 車で1時間半だかヘルシンキ方面に行った、 ドラムのトニ・ポルセン君の家に行ってリビングでリハ。  彼はスネアとチョコレートの箱などを叩いた。
もうすぐ結婚する予定のトニの彼女は、ヴァルティナという、 世界的に有名な“フィンランド民族音楽ポップス” みたいなグループのヴォーカリストで、超有名人らしく、 何とも素敵な感じだった。  その後、ツルクに帰宅。

2月7日
車でヘルシンキに向かい、 二クラスの知り合いの有名ピアニストから エレピを借りてクラブに搬入。  その後わさわさとホテルにチェックインを済ませて、 ちょっと休んだらもう会場入り。  しかも、既にお客さんで一杯なので、リハは殆ど出来ず。  長旅の疲れは抜けないわ、リハ不足は否めないわで、 返ってプレッシャーが抜けた。  これじゃ間違えたってしょうがないよな、 みたいな(笑)。
演奏が始まると、他のメンバーはすごいテンション!!  これには参った。  2曲目のジャズチューンっぽいナンバーで 何とかきっかけを掴む。  細かいところは出来てなくて当たり前だ、という開き直りのおかげで、 自分も何とか結構 熱く弾けた。 楽しかった。


2月8日
ツルクのモダンアート美術館のようなところで演奏。  この日も殆どリハはなし。  お客にはフィンランドで有名な女優とか、 舞踏家とか、ジャミロクワイの仕事で演奏したりする、 スロベニアのワカモンピアニストとか、 自分探しの旅の途中のスペイン人の女の子、 マリアなんかがいた。
今回は小さなコンサートだったので、 ピアノもドラムも生で、 コンパクトにまとまって小さい音で演奏した。  曲目は前日と一緒。  フィンランドでは、ギグは何故か60分1セットで終わり。  楽勝に短いのだ。
前日、一発もののバッキングが問題だったので、 余計な音を弾かないように気をつけた。
今回はずっと良くなったように思う。  ドラムのトニは終始ブラシだったが、 それでも彼の16ビートは最高だった。  彼はいつも先に仕掛けてくる、いわゆる “ずっとドラムソロタイプ”、 俺の好きなタイプだ。
俺は弾きすぎない事、歌になっていない音を弾かない事、 後はいつも通り、リズムが悪くならない事などに気をつけた。  それにしてもこのツアーのミュージシャン達は本当に素晴らしい。
終わってからみんなでレストランに行った。  ここは旨いと言うから何が出てくるのかと思ったら、 よく日本の屋台で出てくるソース焼きそばだった!  しかも何かちょっと違う。  これはみんなにやや不評だったが、俺は構わず全部食べた。  何しろツルクは田舎で、夜になると店という店が閉まってしまうのだから。  それからみんなで近くのジャズクラブ、 “モンク”にジャムセッションに繰り出そうという話になった。  「イクスキューズミー?  明日7時起きって言ってませんでしたっけ?」と尋ねると、 笑いながら「イエー」とトニ。  そうか、タフなんだな、と思いながらモンクでセッションして、 夜中に寮に帰宅。


[PHOTO_Finland2007]   [Finland2007 1] [Finland2007 2]   [Finland2007 3]   [Finland2007 4]   [Finland2007 5]   [Finland2007 6]

| TOP | SCHEDULE| NEWS | BIOGRAPHY/ プロフィール | DISCOGRAPHY/ アルバム紹介 | LINKS | JAZZ | PERSONALITY|

[  ]  

Copyright(C)2004- Eisuke Kato. All Rights Reserved.