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<6>         [ 二クラス・ウィンター・カルテット・フィンランド・ツアー 2007 ]
2月14日
この日で最後のコンサート。 会場は、 滞在している寮のはす向かいにある、シベリウスミュージアムで、 有名なクラシックの演奏家が演奏している素晴らしいホールである。  そして、二クラスのお母さんが、非常に長い間、このミュージアムに勤めてい たという事実も、強調しておかなければならない。 そんな訳で 、是非とも成功させたいコンサートであった。

ピアノはもしかしたら生まれて初めて弾いたかもしれない、ス タインウェイの最高の器種。 俺はピアノに疎いタイプなので、 詳しい事は判らないが、このピアノがいい事だけは判った。  ただ器種がいいだけではなく、新しすぎず古すぎず、最高の熟し 具合。 日本でお目にかかるフルグランドは、大抵の場合、全然 弾き込まれておらず、新しすぎる。  こんなにいい状態のスタインウェイを弾く機会は滅多にないのである。
また、このホールも素晴らしく、美術的にも有名だそうで、 日本からも沢山の美術学生みたいな人が見学に来るらしい。  あえて言うならば、何というか、最近、都心にボンボン出来る、 六本木ヒルズに代表されるような巨大ビルの、 やたら高級感溢れる店の美術的な内装、みたいな感じ、 と言ったら怒られるだろうか(笑)。  勿論シベリウスの方が一億倍凄い事を前提に、 あえてたとえて説明しているのだが、百姓でスイマセン。
しかしそういう風に美術的に優れていながら、音も凄いのだ!  ピアノは良く鳴るし、残響は丁度いいしで、最高であった。

ところが!! それは、ソロピアノとか、 クラシック音楽などを演奏する場合限定であったようだ。  実際にバンドで演奏してみると、 ある一定以上の音量に達した瞬間、 かなり音が聞き取りづらくなって、 リズムが不安定になり、 どうしても音が多くなってしまった。
洗濯物を洗ってくれた二クラスの奥さんや、ベリーキュートな 愛娘、ソフィアが見てる前で、俺は、 これがニッポンのさくらさくらでございます、 とばかりに炸裂したかったのだが、残念ながらそれは出来なかった。  しかし、やや調子を落とした俺の変わりに、 二クラスが特に素晴らしい演奏をした。  それが本当に良かった。  他の2人も満足そうだった。  前日に、彼がラジオで宣伝した効果もあってか、 お客さんも満員だった。 女優もいた。  スパニッシュフッカーも最前列で聴いていた。
この日、お母さんのホールで、満員の地元の聴衆の前で、 愛する家族の見ている前で、 二クラスが男になれたという点において、 この最後のコンサートは、文句なしに素晴らしい物になったのではないだろうか。

その後俺達は、以前、屋台の焼きそばモドキを食べたレストラ ンで、メンバーでは最後の食事をした。 みんな酒も飲まない。  二クラスなど2日連続12時間寝たそうだ。  なんだ、やっぱり思いっきり疲れてるんじゃないか、はは。
今回食べた、ラムのパスタは最後の晩餐にふさわしく、 超、最高だった。  しかしやはり、高い。
トニはヴァルティナの彼女と昨夜、いい話が出来たのだ、とい う。
「だからもう金輪際、深酒は止める事にしたんだ。」  とさばさばした調子で言う彼。 みんなで
「おめでとう。」と言うと嬉しそうだった。 これじゃ彼女にしても可愛いだろうな。  もし今度、日本で馬鹿飲みしていたら、どッひゃー、だ。
フィニッシュガイ2人と固く握手を交わして別れた。 彼らは初 めて会ったこの俺に、本当に親友のように接してくれた。 この ツアーは俺にとって、忘れられない思い出になるだろう。 氷の 道を踏みしめながら、久しぶりに胸が一杯になった。

寮に戻ってから出発の2時40分まで、2〜3時間も時間があ ったが、俺が帰り損ねないようにと、 翌日の便で帰ればよい島が、眠たい中、付き合ってくれた。  俺は相当疲れていたから、本当に助かった。  このツアーの事、これからの事、俺も参加するかもしれない、 彼自身の別のプロジェクトの事などを話し合い、 時間になると固く握手をしてタクシーに乗り込んだ。

基本的には毎年、日本ツアーとフィンランドツアーを1回ずつ やるようだ。 今回、このツアーで音楽的にかなりいろいろな事 を掴む事が出来た。 スーパーグループでのツアーという物は、 時としてミュージシャンを大きく育ててくれる。  これからの半年間、俺はそれを発展させ続け、 また、がらっと変わった自分を、次のツアーに思いっきりぶつける事が出来たら、 そんな風に考えると、実にワクワクする。
俺は普段、あまり楽天家とは言い難く、こんな事を言うタイプ ではない。 この俺がこんなにポジティブな、エナジー溢れる状 態になれるのは、間違いなく、これが“二クラス・ウィンター ・ジャパン・カルテット”だからだ。 これこそ、真の意味での スーパーグループなのかもしれない。


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